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老夫婦
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らうふうふ
こんな
會話が
老夫婦の
間に
取り
換はされたのは、
宗助が
出京して
以來一
度や二
度ではなかつた。
實際彼は
叔父の
所へ
來ると、
老人の
眼に
映る
通りの
人間に
見えた。
富藏は
疑はないでも、
老夫婦の
心は
分つて
居ても、
孤家である、この
孤家なる
言は、
昔語にも、お
伽話にも、
淨瑠璃にも、ものの
本にも、
年紀今年二十になるまで、
民子の
耳に
入つた
響きに