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缺
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かゝ
りたる事なれば其
入用にと
豫てより貯へ置たり金子ありて
貧苦の中にも失はざれば今度の支度に事
缺ず
此事はしもお光はまだ知ねば共に是を
これより
旬日の
前までは、
前田加賀守治脩公、
毎朝缺すことなく
旭を
禮拜なし
給ふに、
唯見る
寂寞たる
墓の
下に、
金城の
蒼生皆眠りて、
彌望、
極顧、
活色なく、
眼の
下近き
鍛冶屋にて
伺ひしなり
併しながら當冬に相成ては未だ一度も御出なく
此秋中迄は毎月
缺さず御出ありしが
如何なされしにやと申ければ半四郎は
始終を
聞夫は不思議の
縁なり某し此度此所を
お
缺せ申し御氣の毒なりと互に挨拶
終りてお菊は膝を