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縮緬皺
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ちりめんじわ
ふりがな文庫
“
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)” の例文
絶え間なく動く
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
となつて見え、そこに素晴しい高さの岩がによつきりと
宛
(
あた
)
かも河を受とめた工合に立つてゐた。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
それは卑劣と思えるほど小器用で
脇
(
わき
)
の下がこそばゆくなる。酢の面に
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
のようなさざなみか果てしもなく立つ。
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
眉の跡も青さを失つて、やゝ
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
の目につく年輩ですが、顏の道具はまことに端正で、細つそりした後ろ姿などは、病的に見えるほど弱々しいものがあります。
銭形平次捕物控:248 屠蘇の杯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
頸
(
くび
)
から肩へかけての肉にたるみがあって、顔にも
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
が一面にあるにはあるけれども、
肌
(
はだ
)
が抜ける程真っ白なので、遠目ではそう云う皺やたるみがよく分らず
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「——綺麗ねえ」美佐子も照れ隠しのような口調だった。風らしいものは感じられないのに、池には
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
のような小波が立っているらしく、倒影が細く揺れている。
如何なる星の下に
(新字新仮名)
/
高見順
(著)
▼ もっと見る
澄
(
す
)
みきった天心に、
皎々
(
こうこう
)
たる
銀盤
(
ぎんばん
)
が一つ、ぽかッと
浮
(
うか
)
び、
水波渺茫
(
すいはびょうぼう
)
と
霞
(
かす
)
んでいる
辺
(
あた
)
りから、すぐ眼の前までの一帯の海が、限りない
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
をよせ、洋上一面に、金光が
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
待っていると言うたとて、ほかの者が待っているはずはない、先代ゆずりの、お絹という肌ざわりの相当練り上げられたのが、
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
をのばして待っているくらいのもの。
大菩薩峠:41 椰子林の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
だからカイラギから高台までの鉋の跡は何処までもちぢれてゆくのが当然だ。言う通り箆で削った後の地肌というものは、非常に荒っぽく、ザラザラの所謂
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
となっている。
古器観道楽
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
山家のならわしとして冬至には
蕗味噌
(
ふきみそ
)
と
南瓜
(
とうなす
)
を祝います。幸い秋から残して置いた
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
のが有ましたから、それを
流許
(
ながしもと
)
で用意しておりますと、花火の上る音がポンポン聞える。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
遠くから望むと、いかにも水々しく若やいで居た血色のいゝ両頬には、胸をむかむかさせる濃い
白粉
(
おしろい
)
と
頬紅
(
ほゝべに
)
とがペンキのように
塗
(
ぬ
)
ってあった。ところ/″\に
細
(
こま
)
かい
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
が寄って居る。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
この
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
の寄りそうになった年増女は妖艶ではあるだろうが、厚塗にした
白粉
(
おしろい
)
も、唇一パイにさした紅も、大袈裟な表情も、
媚
(
こび
)
をまき散らす肢体も、岩太郎の眼には急に嫌らしく、汚らわしく
銭形平次捕物控:245 春宵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
木立という木立で蝉が勇ましく鳴き立て、空気に
縮緬皺
(
ちりめんじわ
)
でも寄るかとさえ思いました。眩しく光る
葭原
(
よしはら
)
の中からよしきりが皮膚を
抓
(
つね
)
るような鳴き声を立てゝ、快活に葭から出たり入ったりしています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
縮
常用漢字
小6
部首:⽷
17画
緬
漢検準1級
部首:⽷
15画
皺
漢検1級
部首:⽪
15画
“縮緬”で始まる語句
縮緬
縮緬細工
縮緬呉絽
縮緬着物
縮緬透綾
縮緬雑魚
縮緬叩
縮緬地
縮緬類
縮緬頭巾