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絮
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わた
ふりがな文庫
“
絮
(
わた
)” の例文
巨勢は
絮
(
わた
)
の如き少女が肩に、我
頭
(
かしら
)
を持たせ、ただ夢のここちしてその姿を見たりしが、
彼
(
かの
)
凱旋門
(
がいせんもん
)
上の女神バワリアまた胸に浮びぬ。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
白い
蛾
(
が
)
が
絮
(
わた
)
のように飛んで、室を目がけて、夕日に光る障子に、羽影をひらめかせる、風が死んで楊の葉はそよとも動かない。
谷より峰へ峰より谷へ
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
と、見ると、黒い
絮
(
わた
)
のような煙の中に怪物の姿があって、それが
尖
(
と
)
んがった牙のような
喙
(
くち
)
と長い爪を見せて、穴から一人の者を
攫
(
さら
)
って煙に乗って空にのぼろうとした。
嬌娜
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「久しく修業を積んでいますから、心は地に落ちたる
絮
(
わた
)
の如くでござる」と、僧は答えた。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
直
(
すぐ
)
に桃色の
襷
(
たすき
)
を出して、袂を投げて
潜
(
くぐ
)
らした。惜気の無い二の腕あたり、柳の
絮
(
わた
)
の散るよと見えて、井戸縄が走ったと思うと、金盥へ入れた硯の上へ
颯
(
さっ
)
とかかる、水が紫に、墨が散った。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
日のあたる築地のもとに
絮
(
わた
)
ふかき御形が咲きてうれしき御寺
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
さて絹の糸、絹の
絮
(
わた
)
、おのがじし
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
君や
絮
(
わた
)
なす花ならめ
佐藤春夫詩集
(旧字旧仮名)
/
佐藤春夫
(著)
その梢に、一面のほうけた
絮
(
わた
)
が、風もないのに、氷でも解けるように、はらり、はらりと、落ち散るのであった。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
夏ごとに出水に
水漬
(
みづ
)
く
河楊
(
かはやなぎ
)
の
絮
(
わた
)
白うして老いにけるかも
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
白々
(
しろ/″\
)
と
露
(
つゆ
)
に
輕
(
かる
)
く……
柳
(
やなぎ
)
の
絮
(
わた
)
の
散
(
ち
)
る
風情
(
ふぜい
)
。
浅茅生
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
印旛沼家居とぼしき
沼尻
(
ぬじり
)
にも老木の楊
絮
(
わた
)
深みつつ
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
ほうつほうつと
楊
(
やなぎ
)
の
絮
(
わた
)
が飛ぶわいの
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
風吹けば
絮
(
わた
)
の柳や。
第二海豹と雲
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
絮
漢検1級
部首:⽷
12画
“絮”を含む語句
柳絮
填絮
柳絮行
火絮
絮々
絮々綿々
絮果
絮毛
絮煩
絮絮
絮談
若宮柳絮
詰絮
飛絮