紫雲しうん)” の例文
大抵たいてい五十年ごじふねんさだまつたいのち相場さうば黄金こがねもつくるはせるわけにはかず、花降はなふがくきこえて紫雲しうん來迎らいがうするあかつきには代人料だいにんれうにてこと調とゝのはずとはたれもかねてれたるはなし
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「ようおいでを賜わりました。きょうはわが王家の棟に、紫雲しうんの降りたような光栄を覚えまする」
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
紫雲しうん揺曳たなびく九重こゝのへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
彼の名は、彼が作ったわけでもない大きな人気につつまれて洛陽の紫雲しうんに浮かび上がってきた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
宋朝そうちょう初期のころには、紫雲しうん薫香くんこう精舎しょうじゃの鐘、とまれまだ人界の礼拝らいはいの上にかがやいていた名刹めいさつ瓦罐寺がかんじも、雨露うろ百余年、いまは政廟せいびょうのみだれとともに法灯ほうとうもまた到るところほろびんとするものか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
(ご誕生の時には、産屋うぶや紫雲しうんたなびいて天楽てんがくが聞えたそうな)とか
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)