粉々こなごな)” の例文
あっしの腕の骨が粉々こなごなになって行くような気持ちで、身体からだ中がしびれ上っちゃいました。トテモかなわないと思わせられましたね。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
魚鱗ぎょりんのような閃光せんこうをえがいて飛んできた鎧通よろいどおしが、龍太郎の太刀たちにあたると同時に、銀粉ぎんぷんのふくろが切れたように、粉々こなごなとくだけ散って、あたりはにわかに
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
出来るだけ細かく、特に署名捺印のところが、後に痕跡を残さぬように注意して、粉々こなごなにした。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
いとど得意とくい面持おももち天狗てんぐさんはそうって、つづいてにせるえだをば、あたかもそれが芋殻いもがらでもあるかのように、片端かたっぱしからいきむしってはて、むしってはて、すっかり粉々こなごなにしてしまいました。
「斯ういう具合に粉々こなごなにして打っちゃってしまえば未練は残らない」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
彼の抱えていた硝子壜は床の上にちて、粉々こなごなになった。
見えざる敵 (新字新仮名) / 海野十三(著)