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筒抜
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つつぬ
ふりがな文庫
“
筒抜
(
つつぬ
)” の例文
旧字:
筒拔
「何日何刻に。西門の守りは誰。北門は誰」とほとんど
筒抜
(
つつぬ
)
けに知ることができた。もちろん獄中の主人がなお健在でいることもわかっていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あっ」信玄は皆まで聞かず驚きの声を
筒抜
(
つつぬ
)
かせた。この時初めて昨夜の約束を稲妻のように思い出したのである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「知っているとすれば、お前は一味に加担しているのだな!」と、新左衛門の声は思わず
筒抜
(
つつぬ
)
けた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
「三月以来のことです」と周防が云った、「はじめは気がつきませんでしたが、密議に類することが、
筒抜
(
つつぬ
)
けに外へもれますので、注意してみると到るところに
間者
(
かんじゃ
)
が配ってあるようなのです」
樅ノ木は残った:01 第一部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
霧と云えば霧と云われるくらいな
微
(
かす
)
かな粒であるが、四方の
禿山
(
はげやま
)
を
罩
(
こ
)
め尽した上に、
筒抜
(
つつぬ
)
けの空を塗り
潰
(
つぶ
)
して、しとどと落ちて来るんだから、
家
(
うち
)
の中に坐っていてさえ、
糠
(
ぬか
)
よりも小さい
湿
(
しめ
)
り
気
(
け
)
が
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
ともかく計画というものは、大方、どこからか情報がもれてくるものだが、恐らくは、忠盛ほどの男だから、
密偵
(
みってい
)
の一人や二人は、しのびこませていたにちがいない。事前に、計画は
筒抜
(
つつぬ
)
けになった。
現代語訳 平家物語:01 第一巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
それは
一言
(
ひとこと
)
残さず女中部屋へ
筒抜
(
つつぬ
)
けに聞えた。フランス語を
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
遠くの方から八五郎の声が
筒抜
(
つつぬ
)
けます。
銭形平次捕物控:111 火遁の術
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
こっちでお米が声を
筒抜
(
つつぬ
)
かせた。——ハッと思って眼をみはるとお藤の体はグッタリして、
仲間
(
ちゅうげん
)
の脇の下に
掻
(
か
)
い込まれ、声も
得立
(
えた
)
てずズルズルと
川縁
(
かわべり
)
へ。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
八五郎の声は下から
筒抜
(
つつぬ
)
けます。
銭形平次捕物控:241 人違い殺人
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
八方
筒抜
(
つつぬ
)
けの
蓆
(
むしろ
)
小屋の事とて、当然、逃げるべきものは遁れ、避難する見物は避難して、あとに残ったのは小屋者の男衆のみで、
大山
(
たいざん
)
鳴動して鼠一匹のかたちがないでもない。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ややしばらくしてから
度胆
(
どぎも
)
を抜かれた
空声
(
からごえ
)
を
筒抜
(
つつぬ
)
かせたが、助同心の岡村、突然
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、声を
筒抜
(
つつぬ
)
かせた途端。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
筒
常用漢字
中学
部首:⽵
12画
抜
常用漢字
中学
部首:⼿
7画
“筒”で始まる語句
筒袖
筒
筒口
筒服
筒井順慶
筒井
筒先
筒井筒
筒木
筒形