突風とっぷう)” の例文
とつぜん、さかうえから、おそろしい突風とっぷうが、やってきて、あっというまに、おんなのさしているがさをさらって、青空あおぞらたかく、風車かざぐるまのように、まきあげました。
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
天候は大あらしに急変した、激浪げきろう突風とっぷうにもまれて、帆柱ほばしらは吹き折れ、かじは流され、船はまったく自由を失った。みなは船底にかじりついて生きた心持ちもない。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
ノアノパリの絶壁ぜっぺき上に立ち、世界で三番目に強いと言われる風速何十メエトルかの突風とっぷう、顔をたえずたたかれ上衣うわぎをしょっちゅうくられているような烈風を受けつつ、眺めた景色は髣髴ほうふつ
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
突風とっぷうに見まわれた紙屑かみくずか、白日はくじつに照らされた蜘蛛くもの子のように、クルクル舞いをして呂宋兵衛とその手下ども、スルスルと土手草どてくさへとびついて、雑木林ぞうきばやしの深みへもぐりこんだかと思うと
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とたんに一陣の突風とっぷうと共に、先頭のトラックが、側を駆けぬけた。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)
大地をめくり返すような一陣の突風とっぷう! と同時に、パッとつばさをひろげた金瞳きんどう黒鷲くろわしは、ひとりをかたつばさではねとばし、あなよというまに、あとのひとりの肩先へとび乗って、銀のつめをいかり立ッて
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
突風とっぷうが、帆をゆすぶった。帆柱ほばしらがぎいぎいと悲鳴をあげた。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)