着類きるゐ)” の例文
見廻せば片邊かたへに女のたふれ居てあけそみ息も絶たる樣子やうすなりとて憑司ははたと手を打是と云も元は傳吉からおきたこと然らば此死骸しがいへ昌次郎お梅が着類きるゐ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
と保雄は怒鳴どなつた。二番目の抽出ひきだしからは二人の男の子の着類きるゐが出て来た。皆洗ひ晒しの木綿物の単衣ひとへばかりであつた。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
せ此所へ殘し置き我また別によき工夫くふうありとてかの曲者並びに女のくびつて川へ流し二人の着類きるゐを着せ替て昌次郎夫婦は甲州路かふしうぢより江戸へおもむかせたり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
かり着替きかへぬれ着類きるゐ竿さをに掛け再び圍爐裡ゐろりはたへ來りてあたれば二日二夜のくるしみに心身しんしんともつかれし上今十分に食事しよくじを成して火にあたゝまりし事なれば自然しぜん眠氣ねふけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)