眞下ました)” の例文
新字:真下
「お粂さんでした、二階で變な聲がするので、寢卷のまゝ來て見たんださうです——お粂さんの部屋は、丁度この眞下ましたですから」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
その眞下ましたに、魚屋さかなやみせがあつて、親方おやかた威勢ゐせいのいゝ向顱卷むかうはちまきで、黄肌鮪きはだにさしみ庖丁ばうちやうひらめかしてたのはえらい。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
眞下ましたの部屋は、矢張り六疊で、これは思つたよりも、ひどく御粗末でした。二階の孫三郎の部屋に比べると、これは全く奉公人の部屋と言つても宜いくらゐ。
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
つゞいて、「中六なかろく火事くわじですよ。」とんだのは、ふたゝ夜警やけいこゑである。やあ、不可いけない。中六なかろくへば、なが梯子はしごならとゞくほどだ。しか風下かざしも眞下ましたである。わたしたちはだまつてつた。
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)