相変あいか)” の例文
旧字:相變
それこそ耳にたこのできるほど聞きれたものだったが、どうもそれが『ご亭主ていしゅはたっしゃでいるよ。相変あいかわらずかせいでいるよ』
そしてまもなく、およいだり、くぐったり出来できようみずあたりにましたが、そのみにく顔容かおかたちのために相変あいからず、ほか者達ものたちから邪魔じゃまにされ、はねつけられてしまいました。
子供こどもきなおはつ相変あいかわらず近所きんじょいえから金之助きんのすけさんをいてた。頑是がんぜない子供こどもは、以前いぜんにもまさる可愛かわいげな表情ひょうじょうせて、袖子そでこかたにすがったり、そのあとったりした。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
わたしはごくしずかにまどを開けた。なにがそこにあったか。相変あいかわらず鉄の格子こうしと、高いかべが前にあった。わたしは出ることができない。
目に見える景色けしきはいつでも同じことであった。相変あいかわらずの灌木かんぼく、相変わらずのえにしだ、相変わらずのこけであった。
わたしがつかまえようとすると、ちょろちょろにげ出して、す早く身をかわしては、相変あいかわらずとことこ歩いていた。
わたしたちは相変あいかわらずぼろぼろの旅仕度であったが、ホテルでは黒の礼服に白のネクタイをした給仕きゅうじ案内あんないをされた。かれはわたしたちを居間いまれて行った。
空は相変あいかわらずどんよりしてすこしばかり星が出ていた。その出ていたすこしばかりの星もいつもよりはずっと小さいように思われて、風のいきおいは強くなるばかりであった。