発見みつけ)” の例文
旧字:發見
いつか水底の海草のしげみに発見みつけてをいた、それはきれいな紅色の珊瑚は、あの頃は小さかつたけれども、いまではかなり伸びてゐるだらう
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
だが、電車の運転手に発見みつけられた禿頭だけは樺太人かばふとじんに見せまいとして、大型の絹帽きぬぼうをすぽりと耳までかぶる事を忘れなかつた。
平次の見込み通り、徳太郎は三河町みかわちょうの叔父の家で、剣術ごっこをして遊んでいるところを、ガラッ八とそのまた手下の諜者ちょうじゃ発見みつけられたのです。
語らっているとお露の父平左衛門に発見みつけられ、あわや一刀両断の処置にあわんとして南柯なんかの夢さめる、何事もなく身は船中に転寝うたたねしていたのであるが
「描かざる画家」ダンチョンを発見みつけ出そうためである。ダンチョンの姿はラシイヌの左手、十間ほどの彼方にいた。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四五人のスキャップを雇い込んで、××町の交番横に、トラックを待たせておいて、モ一人のうちへ行こうと、まがった路次ろじで、フト、二人の少年工を発見みつけ出したのだ。
(新字新仮名) / 徳永直(著)
ですから轟がドンナに巧妙に姿をくらましても生蕃小僧はキット発見みつけ出して脅迫して来るのでした。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
どもりながら話すのを聞くと、甚右衛門店じんえもんだな裏手うらての井戸に若い女が身を投げているのを今顔を洗いに行って発見みつけたが、長屋じゅうまだ寝ているからとりあえず迎えに来たのだという。
死んでしまった後から発見みつけたんなら、こんなことにもならなかったでしょうが、なんしろ、自分で自分の笛を掻き切って、もがき死にするところを、その藻掻もがき廻るところだけを見たもんですから
銀座幽霊 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
うでなければならぬ、という十分の化学式を発見みつけます。
腐った蜉蝣 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
「俺らほの兄いまがこないだ一巣発見みつけたぞ!」
夏蚕時 (新字旧仮名) / 金田千鶴(著)
発見みつけた祠というのは、ここにあるこの村の祠だな。しかしこんなに手近な所に緑地オアシスがあろうとは思わなかった。恐らく張の逃げ込んだのもこの緑地オアシスに違いない
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
チャイナ号の向い合わせに繋留かかっていたアラスカ丸の船長……貴下あなた発見みつけて拾い上げた……チャイナ号へ面当つらあてみたいに小僧の頭をでて、慰め慰め拾い上げて行った……という話なんです。
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あやしい者の姿を発見みつけることは、雄鶏が一番上手でした、雌鶏たちの目もとゞかないやうな、遠くの方の草の中から犬の耳が二つ、ひよつこり出てゐるのでも、雄鶏はたちまち発見しました。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
そこで私は永い間研究して参った試験こころみをもってそこの断層を調べましたところ、思いもよらず大鉱脈が地の下深く埋もれているのを発見みつけ出したではございませぬか!
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
人殺し牛を発見みつけた。捕まへろ。
小熊秀雄全集-14:童話集 (新字旧仮名) / 小熊秀雄(著)
彼らを威嚇し降参させ、財宝を発見みつけるのが目的である。鉄砲は是非とも打たねばなるまい。しかし急所は避けるがよい。戦闘力を失わせる! これが最も肝心である。
こう云いながら扉の面を両手で静かに探ったが、取手を発見みつけるとそろそろと開け、わずかに開いたその隙から、機械の口を差し出すと、廊下の向こうの壁の面へ物凄い怪人を映し出した。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして私はどんなことをしてもその恩人を発見みつけだして思うさま感謝を捧げないことにはどうにも気がすまなく思われて来た。私は毒矢を抜き取って仔細にそれを調べて見た。土人の使う弓矢である。
沙漠の古都 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)