由緒ゆいしよ)” の例文
土地とちんで、もうまち成立せいりつわすれ、開墾かいこん当時たうじ測量器具そくりやうきぐなどのをさめた、由緒ゆいしよある稲荷いなりやしろさへらぬひとおほからうか、とおもふにつけても。——
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
されば由緒ゆいしよもなき無格の小寺も、本山への献金によつて寺格を進めらるることのあれば、昨日にび色の法衣着たる身の今日は緋色ひいろを飾るも、また黄金の力たり。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
田舎に於ては、郷党のすべてが縁者であり、系図の由緒ゆいしよある血をひいてゐる。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)
……がとびらひらいて、伝説でんせつなき縁起えんぎなき由緒ゆいしよなき、一躰いつたい風流ふうりうなる女神によしんのまざ/\としてあらはれたか、とうたがはれて、かたはらたなのこつた古幣ふるぬさなゝめにつたのにたいして、あへはゞかるべきいろかつた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)