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甘美
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かんび
ふりがな文庫
“
甘美
(
かんび
)” の例文
言うに言われぬ
甘美
(
かんび
)
なもの、いわば女性的なもの……に対する、半ば無意識な、はじらいがちの予感が、
潜
(
ひそ
)
んでいたのだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
その刹那から、己の目の前には、現実の世界が消えてしまって、
燦爛
(
さんらん
)
たる色彩と、
妖艶
(
ようえん
)
なる
女神
(
めがみ
)
と、
甘美
(
かんび
)
なる空気との世界ばかりが見えて居た。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
じりじりと照りつける陽の光と
腹匍
(
はらば
)
いになった塚の熱砂の熱さとが、小初の肉体を上下から
挟
(
はさ
)
んで、いおうようない苦痛の
甘美
(
かんび
)
に、小初を
陥
(
おとしい
)
れる。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
とに
角
(
かく
)
も不思議に
甘美
(
かんび
)
を
唆
(
そそ
)
る香りが僕の鼻をうったものだから、思わず僕は
眩暈
(
めまい
)
を感じて頭へ手をやった。
階段
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
汝等
(
なんじら
)
審
(
つまびらか
)
に諸の
悪業
(
あくごう
)
を作る。
或
(
あるい
)
は
夜陰
(
やいん
)
を以て
小禽
(
しょうきん
)
の家に至る。時に小禽
既
(
すで
)
に終日日光に浴し、
歌唄
(
かばい
)
跳躍
(
ちょうやく
)
して
疲労
(
ひろう
)
をなし、
唯唯
(
ただただ
)
甘美
(
かんび
)
の
睡眠
(
すいみん
)
中にあり。汝等飛躍してこれを
握
(
つか
)
む。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
▼ もっと見る
多分嚴肅過ぎるが音樂のやうな
甘美
(
かんび
)
な考へ——『あなたと暮らすといふ希望を持つてゐることは輝かしいことだと思ひます、エドワァド、私はあなたをお愛し申してゐるのですもの。』
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
その飯には、杏の味の
甘美
(
かんび
)
さが、まだ残っている気がしたのでした。
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
甘美
(
かんび
)
な衝撃と感動が、一瞬五郎の全身をつらぬいた。
幻化
(新字新仮名)
/
梅崎春生
(著)
(その銀の
鈴
(
すず
)
を
振
(
ふ
)
るような声の
響
(
ひび
)
きは、何かこう
甘美
(
かんび
)
な冷たい感じをなして、わたしの背筋を走った)——「ねえ、あなたをそう呼んでもいいでしょう?」
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
汝等
(
なんじら
)
審
(
つまびらか
)
に諸の悪業を作る。
或
(
あるい
)
は
夜陰
(
やいん
)
を以て
小禽
(
しょうきん
)
の家に至る。時に小禽
既
(
すで
)
に終日日光に浴し、
歌唄
(
かばい
)
跳躍
(
ちょうやく
)
して疲労をなし、
唯唯
(
ただただ
)
甘美
(
かんび
)
の
睡眠
(
すいみん
)
中にあり、汝等飛躍してこれを
握
(
つか
)
む。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
焦熱
(
しょうねつ
)
地獄
(
じごく
)
のような工場の八時間は、僕のような変質者にとって、むしろ快い
楽園
(
らくえん
)
であった。焼け鉄の
酸
(
す
)
っぱい匂いにも、機械油の腐りかかった悪臭にも、僕は
甘美
(
かんび
)
な興奮を
唆
(
そそ
)
られるのであった。
人造人間殺害事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしはちょっと椅子に掛けたが、それなり
魔法
(
まほう
)
にでもかかったように、長いこと
坐
(
すわ
)
ったままでいた。その間に感じたことは、実に目新しい、実に
甘美
(
かんび
)
なものだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
汝等
審
(
つまびらか
)
に諸の
悪業
(
あくごう
)
を作る。
或
(
あるい
)
は
夜陰
(
やいん
)
を以て
小禽
(
しょうきん
)
の家に至る。時に小禽
既
(
すで
)
に終日日光に浴し、
歌唄
(
かばい
)
跳躍
(
ちょうやく
)
して疲労をなし、
唯唯
(
ただただ
)
甘美
(
かんび
)
の
睡眠
(
すいみん
)
中にあり、汝等飛躍してこれを
握
(
つか
)
む。
二十六夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
甘
常用漢字
中学
部首:⽢
5画
美
常用漢字
小3
部首:⽺
9画
“甘美”で始まる語句
甘美内宿爾