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煩累
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はんるい
ふりがな文庫
“
煩累
(
はんるい
)” の例文
わたしは生活とその
煩累
(
はんるい
)
を
遁
(
のが
)
れ、人の言う、夢の世界に隠れ家を求めようとする。わたしは、終夜、帽子を根気よく探す夢を見た。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
我
(
わが
)
感情の領分に、或る
élégiaque
(
エレジアック
)
な要素があるようにしたって、それがなんの
煩累
(
はんるい
)
をなそうぞと、弁護もして見る。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そう見る限り、花袋は人生を
煩累
(
はんるい
)
と思っていたにちがいない。それで花袋は旅をしつづけた。かれほどよく歩いたものも少い。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
努
(
つと
)
めてその
煩累
(
はんるい
)
を避け、各自家限りの農業を行おうとして、勢い右申すがごとき能率の高いいわゆる労力省略機械の必要を感じて来たのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
日本の旅館の不快なる事は毎朝毎晩番頭や
内儀
(
ないぎ
)
の挨拶、散歩の度々に女中の送迎、旅の寂しさを愛するものに取ってはこれ以上の
煩累
(
はんるい
)
はあるまい。
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
弁信がいることによって、特に愛着と
煩累
(
はんるい
)
とを感じたこともないが、弁信がいないことによっても、なんら自分の愛の生命の一片を裂かれたと感じたことはない。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
庸三は
葡萄酒
(
ぶどうしゅ
)
を一杯ついでもらって、
侘
(
わび
)
しそうにちびちび口にしながら、ほんの
輪廓
(
りんかく
)
の一部しか
解
(
わか
)
っていないその外人の生活を、何かと
煩累
(
はんるい
)
の多い自身に引き
較
(
くら
)
べて思いやっていた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それは心身両方面にかなりの負担と
煩累
(
はんるい
)
を予想される栄誉の仕事であったが、任命は命令的で辞退を許さず、メンデルスゾーンはようやく衰えた体力で、その重任に当らなければならなかった。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
執リテ
矻々
(
こつこつ
)
事ニ是レ従フト雖モ
俗累
(
ぞくるい
)
肘
(
ちゅう
)
ヲ内ニ掣シテ意ノ如クナラズ其間歳月無情
逝
(
ゆき
)
テ人ヲ待タズ而シテ人生寿ヲ
享
(
う
)
クル能ク幾時ゾ今ニシテ好機若シ一度逸セバ真ニ是レ一生ノ
恨事
(
こんじ
)
之ニ過グルナシ
千思
(
せんし
)
又
万考
(
ばんこう
)
速
(
すみやか
)
ニ我身ヲ衣食ノ
煩累
(
はんるい
)
ト絶ツノ策ヲ画スルノ急要ナルヲ見又今日本邦所産ノ草木ヲ図説シテ以テ日新ノ教育ヲ
牧野富太郎自叙伝:01 第一部 牧野富太郎自叙伝
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
両隊長はこの事件の責を自分達二人で負って、自分達の命令を奉じて働いた配下に
煩累
(
はんるい
)
を及ぼしたくないと、長尾に申し出た。
堺事件
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それ故余は都会生活の
煩累
(
はんるい
)
なくしてしかも万事に
便宜
(
べんぎ
)
な田舎の生活をする事ができるのだ。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
姻戚
(
いんせき
)
の家に冠婚葬祭の事ある場合、これに参与するくらいの事は浮世の義理と心得て、わたくしもその
煩累
(
はんるい
)
を忍ぶであろうが、然らざる場合の交際は大抵
厭
(
いと
)
うべきものばかりである。
西瓜
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
煩
常用漢字
中学
部首:⽕
13画
累
常用漢字
中学
部首:⽷
11画
“煩”で始まる語句
煩
煩悶
煩悩
煩瑣
煩雑
煩惱
煩悩児
煩悩即菩提
煩労
煩悩熾盛