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湯治場
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とうじば
ふりがな文庫
“
湯治場
(
とうじば
)” の例文
「えい、そうそうごく近所にありました。しかし私共の近所には、
湯治場
(
とうじば
)
があるので、よく田舎者共が宿をとります」
暗号舞踏人の謎
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
娘が一人で
湯治場
(
とうじば
)
へ来るなんて、そんなことができる筈はないじゃないか、ばかな空想をするな、と彼は思った。
女は同じ物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
八月の末に、師団長は
湯治場
(
とうじば
)
から帰られた。暑中休暇も残少なになった。二十九日には、土地のものが皆地蔵様へ
詣
(
まい
)
るというので、石田も寺町へ往って見た。
鶏
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それに滞在の日数を加えると、どうしても半月以上に達するのであるから、金と暇とのある人びとでなければ、
湯治場
(
とうじば
)
めぐりなどは容易に出来るものではなかった。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「あなたも
湯治場
(
とうじば
)
へいらっしゃるんでしょう。どうもおおかたそうだろうと思いましたよ、先刻から」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
隣家は『
大清
(
だいせい
)
』というこのごろ売りだしの大きな
湯治場
(
とうじば
)
料理屋だが、この日はさいわいに風のない晩だったのと水の手が早かったのとで、塀を焼いただけで助かったが
顎十郎捕物帳:18 永代経
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
都会地の温泉とちがって、こういう山奥の
湯治場
(
とうじば
)
は、お湯だけが楽しみのお客だから、入浴しないと損みたいに、殆ど一日ゴチャゴチャ湯ブネで暮しているようなものなのである。
不連続殺人事件
(新字新仮名)
/
坂口安吾
(著)
ふた月も病人を装って辛抱していたこの有馬の
湯治場
(
とうじば
)
から、世間の陽あたりへ歩き出せば、すぐにあしのつくというくらいな寸法は、なにも、気がつかずに立った
治郎吉
(
じろきち
)
ではなかった。
治郎吉格子
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
私
(
わし
)
も今日は、こうして一人で留守番だが、
湯治場
(
とうじば
)
の橋一つ越したこっちは、この通り、ひっそり
閑
(
かん
)
で、人通りのないくらい、修善寺は大した人出だ。親仁はこれからが稼ぎ時ではないのかい。
山吹
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこは
沸
(
わ
)
かし
湯
(
ゆ
)
の
湯治場
(
とうじば
)
であったのです。
私
(
わたし
)
は
独
(
ひと
)
りすわって、このものすごい
室
(
しつ
)
の
内
(
うち
)
を
見
(
み
)
まわしていました。まだランプも、
電燈
(
でんとう
)
もなく、ただ
古
(
ふる
)
ぼけた
行燈
(
あんどん
)
が、すみのところに
置
(
お
)
いてありました。
子供の時分の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
湯治場
(
とうじば
)
にでも行ったようなゆたかな心持になる。
果樹
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「ハハハ今でも御覧になれます。
湯治場
(
とうじば
)
へ御越しなされば、きっと出て御挨拶をなされましょう」
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
まず小田原まで踏み出しましたが、箱根のお関所がありますので、熱海の方角へ道を換えて、この
湯治場
(
とうじば
)
に半月ほども隠れていました。それから引っ返して江の島、鎌倉……。
廿九日の牡丹餅
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お父つぁんや直は、一生安楽に暮させてやる、土地がいづらければ、どこか
湯治場
(
とうじば
)
にでもやって、一生不自由のないように面倒をみてやる、相模屋の暖簾に
賭
(
か
)
けて約束するって」
しじみ河岸
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
すると爺さんも
中折
(
なかおれ
)
も急に消えて、その代り肥った吉川夫人の影法師が頭の
闥
(
たつ
)
を排してつかつか
這入
(
はい
)
って来た。連想はすぐこれから行こうとする
湯治場
(
とうじば
)
の中心点になっている清子に飛び移った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
湯
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
治
常用漢字
小4
部首:⽔
8画
場
常用漢字
小2
部首:⼟
12画
“湯治”で始まる語句
湯治
湯治客
湯治塲