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流謫
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るたく
ふりがな文庫
“
流謫
(
るたく
)” の例文
海と島々と土人達と、島の生活と気候とが、私を本当に幸福にして呉れるだろう。私は此の
流謫
(
るたく
)
を決して不幸とは考えない……。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
セルバンテスにしろ、これにしろ、そのことによって宝石となり得る優秀な人々にとって
流謫
(
るたく
)
とは何たる深い意味をもっていることでしょう。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
第三百十四回“佐渡へ”の中で、
流謫
(
るたく
)
のお方を
後鳥羽院
(
ごとばいん
)
としたのは全く私の思いちがいで「順徳天皇」でなければならない。
随筆 私本太平記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(
流竄
(
りゅうざん
)
。そういう言葉が彼にはすぐ浮ぶのだ。だが、彼は身と自らを人生から
流謫
(
るたく
)
させたのではなかったか)
苦しく美しき夏
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
それらの
流謫
(
るたく
)
の神々にいたく同情し、彼等をなつかしみながらも、新らしい信仰に目ざめてゆく若い貴族をひとり見つけてきて、それをその小説の主人公にするのだ。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
▼ もっと見る
その寂寥はすでに人を狂死せしめる苦痛を
蔵
(
かく
)
してゐたでもあらう。他巳吉の跫音が杜絶えたなら、最後の生気が杜絶えたやうなものだつた。魂の
流謫
(
るたく
)
を受けた左門であつた。
吹雪物語:――夢と知性――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
西洋は——最も西洋的なギリシアは現在では東洋と握手してゐない。ハイネは「
流謫
(
るたく
)
の神々」の中に十字架に
逐
(
お
)
はれたギリシアの神々の西洋の片田舎に住んでゐることを書いた。
文芸的な、余りに文芸的な
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
国政を誤りたる専横の徒を
貶黜
(
へんちゅつ
)
すべきこととあるのと、お由羅処分のこと、それから、近藤崩れにて、
流謫
(
るたく
)
脱奔したる者を、
召還
(
めしかえ
)
すことと、この三ヶ条は、今申したように、総て
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
紫衣褫奪
(
しいちだつ
)
事件に連坐して、
流謫
(
るたく
)
の四星霜を出羽
上
(
かみ
)
ノ
山
(
やま
)
に過した沢庵は、寛永九年七月に
赦
(
ゆる
)
されて江戸の土を踏んだ。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ツワイクが「
流謫
(
るたく
)
こそは創造的天才をして、己の真の事業の視界と高さとを測らしめるものだ」
獄中への手紙:10 一九四三年(昭和十八年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
一、近藤崩れ(お為派崩れ)に、
流謫
(
るたく
)
したる人々を、速に召喚する事
南国太平記
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
マターファは称号
剥奪
(
はくだつ
)
の上、遥かヤルート島へ
流謫
(
るたく
)
され、彼の部下の
酋長
(
しゅうちょう
)
十三人もそれぞれ他の島々に追放された。叛乱者側の村々への科料六千六百
磅
(
ポンド
)
。ムリヌウ監獄に投ぜられた大小酋長二十七人。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
流謫
(
るたく
)
の公文を持った小役人二人が、これから遥か
孟州
(
もうしゅう
)
の流刑地まで、彼を護送して行くことになる。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何等罪状の指摘できないマターファ(彼は、いわば
喧嘩
(
けんか
)
を売られたに過ぎぬのだから)が千
浬
(
カイリ
)
離れた孤島に
流謫
(
るたく
)
され、一方、島内白人の
殲滅
(
せんめつ
)
を
標榜
(
ひょうぼう
)
して立った小タマセセは小銃五十
梃
(
ちょう
)
の没収で済んだ。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
“流謫”の意味
《名詞》
流 謫(るたく、りゅうたく)
罪に問われて遠方に流されること。
(出典:Wiktionary)
流
常用漢字
小3
部首:⽔
10画
謫
漢検1級
部首:⾔
18画
“流”で始まる語句
流行
流
流石
流眄
流暢
流布
流行唄
流浪
流転
流連