永久とは)” の例文
我等が獄中呻吟しんぎんの日々に於けるツシタラの温かき心に報いんとて 我等 今 この道を贈る。我等が築けるこの道 常に泥濘ぬかるまず 永久とはに崩れざらん。
光と風と夢 (新字新仮名) / 中島敦(著)
なれを見しより四千年、光りは永久とはに若くして、世はかくまでに老ひしかな……云々以下三スタンザから成るゲルマン族の牧歌を、奴は、滅茶苦茶にひつちやぶいて
バラルダ物語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
山と水と寂寞として地に横はり、星と月と寂寞じやくまくとして天にかゝれり。うるはしのはみかな。願はくは月よ傾かざれ、星よ沈まざれ、永久とはの夜の、この世の聲色せいしよくおほひつゝめよかし。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
『あらざりき』そはのちの人のつぶやきし我には永久とはのうつくしの夢
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
寂しくも永久とはに消ゆなと離るなと仰ぎ乞ひのむ母父おもちちの星
海阪 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
英雄えいゆうはそのひかりをも永久とはにして放たむものぞ疑ふなゆめ
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
あゝかくてわが永久とはの帰郷を
わがひとに与ふる哀歌 (新字旧仮名) / 伊東静雄(著)
永久とはのわかれをなせるなり
わが世永久とはにかゝらばと
文月のひと日 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)
永久とはにとけせぬ呪詛のろひあれ。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
永久とはひかりりぬとは
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
うしや我れさむるさだめの夢を永久とはにさめなと祈る人の子におちぬ
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
しゆう永久とはに恵みあれ、われらも、と
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
われら青春の永久とはなる勝利
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
永久とはにとけせぬ呪詛のろひあれ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
とや心朝の小琴をごとの四つの緒のひとつを永久とはに神きりすてし
みだれ髪 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
また永久とはの秘密のしるし、われと聴く
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
永久とはの苦痛に泣きながら
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)