トップ
>
水浅黄
>
みずあさぎ
ふりがな文庫
“
水浅黄
(
みずあさぎ
)” の例文
腰元は
振袖
(
ふりそで
)
の
白無垢
(
しろむく
)
の
裾
(
すそ
)
をひいて、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
ちりめんの
扱帯
(
しごき
)
を前にたらして、縄にかかって、島田の
鬘
(
かつら
)
を重そうに首を垂れていた。
マダム貞奴
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そう思ってまたじっとその顔を見ていると、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
の襦袢の衿の色からどことなく
年増
(
としま
)
らしい、しっかりしたところも見える。
黒髪
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
とお婆さんは
水浅黄
(
みずあさぎ
)
の地に白く抜いた丸に田辺としたのを捨吉に指して見せた。気持の好い手拭地の反物が長くひろげられたのも夏座敷らしい。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
おかねはひどく酔っているようすで、坐り直そうとすると、膝が割れ、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
の下の物があらわになった。
赤ひげ診療譚:08 氷の下の芽
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
お勢は黄八丈の一ツ小袖に
藍鼠金入繻珍
(
あいねずみきんいりしゅちん
)
の丸帯、
勿論
(
もちろん
)
下にはお
定
(
さだま
)
りの
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
等身
(
ついたけ
)
襦袢、
此奴
(
こいつ
)
も金糸で縫の
入
(
い
)
ッた
水浅黄
(
みずあさぎ
)
縮緬の半襟をかけた奴で、帯上はアレハ
時色
(
ときいろ
)
縮緬
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
南方は間近い山の
巓
(
いただき
)
に
屯
(
たむろ
)
した一団の乱雲に遠望を遮られていたが、其雲が次第に消え去ると、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
に澄んだ晴空が
顕
(
あらわ
)
れて、其処に
雄渾
(
ゆうこん
)
極りなき一座の山の姿が劃然と描き出された。
北岳と朝日岳
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
と細君は弘を側に呼んで、解けかかった
水浅黄
(
みずあさぎ
)
色の帯を締直して
遣
(
や
)
った。弘が持って来て捨吉に見せた写真は、父と一緒に取ったのと、一人のとある。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
でも、お
師匠
(
しょ
)
さん、すこし根下りの
大丸髷
(
おおまるまげ
)
に、水色
鹿
(
が
)
の
子
(
こ
)
の手柄で、
鼈甲
(
べっこう
)
の
櫛
(
くし
)
が眼に残っていますって——黒っぽい
透綾
(
すきや
)
の着物に、腹合せの帯、
襟裏
(
えりうら
)
も
水浅黄
(
みずあさぎ
)
でしたってね。
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
棒縞お召の
袷
(
あわせ
)
に
黒繻子
(
くろじゅす
)
の帯、
衿
(
えり
)
のついた
袢纒
(
はんてん
)
をひっかけた伝法な姿、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
の
蹴出
(
けだ
)
しの覗くのも構わず
淫
(
みだ
)
らがましく
立膝
(
たてひざ
)
をしている女の側に、辰次郎が寒そうな顔で笑っていた。
お美津簪
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
白や、
水浅黄
(
みずあさぎ
)
のゴリゴリした浜ちりめんの、湯巻きのこともある。
旧聞日本橋:24 鬼眼鏡と鉄屑ぶとり(続旧聞日本橋・その三)
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
水
常用漢字
小1
部首:⽔
4画
浅
常用漢字
小4
部首:⽔
9画
黄
常用漢字
小2
部首:⿈
11画
“水浅”で始まる語句
水浅葱
水浅
水浅縹色