“水気(すゐき)” の例文
旧字:水氣
さて春を迎(むか)へて寒気次第に和(やは)らぎ、その年の暖気(だんき)につれて雪も降止(ふりやみ)たる二月の頃(ころ)、水気(すゐき)は地気(ちき)よりも寒暖(かんだん)を知(し)る事はやきものゆゑ
其(そ)の入道(にふだう)の、のそ/\と身動(みうご)きするのが、暗夜(やみ)の中(なか)に、雲(くも)の裾(すそ)が低(ひく)く舞下(まひさが)つて、水(みづ)にびつしより浸染(にじ)んだやうに、ぼうと水気(すゐき)が立(た)つので、朦朧(もうろう)として見(み)えた。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花、泉鏡太郎(著)
葦の根に水気(すゐき)たつもの
海豹と雲 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
我国(わがくに)にては地中の水気(すゐき)雪のために発動(うごか)ざるにや、雪中には雨まれ也、春はことさら也。それゆゑ件(くだん)のごとく日にさらす晴(はれ)のつゞく事あり。
二月にいたりても野山一面の雪の中に、清水ながれは水気(すゐき)温(あたゝか)なるゆゑ雪のすこし消(きゆ)る処もあり、これ水鳥の下(をり)る処也。
川辺(かはべ)などはたらく者には髪(かみ)の毛(け)にもシガのつく事あり、此シガ我が塩沢(しほざは)にはまれなり。おなじ郡(こほり)の中(うち)小出嶋(こいでしま)あたりには多し、大河に近きゆゑ水気(すゐき)の霜となるゆゑにやあらん。