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気息奄々
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きそくえんえん
ふりがな文庫
“
気息奄々
(
きそくえんえん
)” の例文
たしか左の部屋だったと、無造作にあけようとした瞬間、その部屋のなかから、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる女のうめきがきこえてきたから、たまげた。
放浪作家の冒険
(新字新仮名)
/
西尾正
(著)
こんな女がどうしてここにいたのか、その子細をたずねようとしても、彼女は
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としてあたかも昏睡せる人の如くである。
中国怪奇小説集:12 続夷堅志・其他(金・元)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
それが先年の震災で大破損を受け、応急手当によって今日まで余命をつなぎましたが、もう
気息奄々
(
きそくえんえん
)
、いつ
殪
(
たお
)
れるかも知れません
母校復興
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
一敗また
起
(
た
)
つ
能
(
あた
)
わざるの神経衰弱に
罹
(
かか
)
って、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
として今や路傍に
呻吟
(
しんぎん
)
しつつあるは必然の結果としてまさに起るべき現象でありましょう。
現代日本の開化
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
目の下に黒い
痣
(
あざ
)
のごときものが現われ、一瞬間前までの闘志満々たる大統領は、たちまちにして
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる瀕死の
老翁
(
ろうおう
)
と化し去ったのである。
偉大なる夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
どこか打撲傷をうけたらしく、一見したところ
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としてゐたが、房一が手拭をとり除いたときに、男はかすかに眼を開けて房一の顔を見た。
医師高間房一氏
(新字旧仮名)
/
田畑修一郎
(著)
キンチャコフの方が先に気がついたらしく、そのころ六条は、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としてゴンドラの底に横たわっていた。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その箱のそばにまた、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる原士と堀田伊太夫の死骸が仆れている。そして、その人形箱は砕けていた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
忽
(
たちま
)
ち
濛々
(
もうもう
)
たる白煙が、一切を私の目から拭き消したと見ると、すぐまた現れた地獄絵図には、一人の若ものが
気息奄々
(
きそくえんえん
)
の姿で、地獄の
傍
(
そば
)
に横たえられてある。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
ここで
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる道庵は動きが取れない。石の重しをかけられて、首と両手と両足をもがくばかり。張子の虎のような、六蔵の亀のような形を、裸松はおかしがり
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
赤ん坊は女のそばにころがっており、産婦は
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たるありさまであった。彼女は何ひとこと物を言わなかったが、それは言いたくても、もう口がきけないからであった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
それもこの
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる場面を活気づけようとして、わざわざ姿を現わしでもしたように、
蓙
(
ござ
)
がけの荷を積んだ荷馬車で
偶々
(
たまたま
)
一人の百姓がそこへ乗りこんで来たればこそで、いつもだったら
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
(訳者曰くこれ日蓮上人一代記八枚続の
中
(
うち
)
佐渡ヶ島の図の事なり。)されど以上述べたるは皆例外の逸品にして吾人の浮世絵なる美術が
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としてしかもなほ容易にその死期に到達せざりしは全くこれら例外なる傑作ありしがためなるを
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鉄梯子に
掴
(
つかま
)
って、上を見ると、政は、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる形であるが、早くも半分ばかりの高さまで登っていた。
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もう
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としている袁術の手を肩にかけながら、甥の
袁胤
(
えんいん
)
は炎天の下を懸命にあるいていた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうなると、この際、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
としている河村から聞きだすのが一番いいことだと思われたのに、彼がなおも頑固に
喋
(
しゃべ
)
らぬとあっては、悲観せざるを得なかった。
地球盗難
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ウーム、ウームと、外には、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
な
傷負
(
ておい
)
の
呻
(
うめ
)
きが、不気味に
昂
(
たか
)
くなっていた。
夕顔の門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
蛇毒にやられて、かびくさい倉庫の床に、
気息奄々
(
きそくえんえん
)
のハルクほど、みじめな者はなかった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
気息奄々
(
きそくえんえん
)
たる身体をサンキス号の船上に移したその翌朝のことで、当時サンキス号はアイスランド島のオルタ港へ急航の途中にあり、突然大統領からの暗号電報に接した次第であった。
地球発狂事件
(新字新仮名)
/
海野十三
、
丘丘十郎
(著)
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
息
常用漢字
小3
部首:⼼
10画
奄
漢検準1級
部首:⼤
8画
々
3画
“気息”で始まる語句
気息
気息苦
気息遣