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正太
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しようた
太皷の
音、うたはせて
舞はせて
人の
爲ぬ
事して
見たいと
折ふし
正太に
咡いて
聞かせれば、
驚いて
呆れて
己らは
嫌やだな。
正太は
筆やの
店へ
腰をかけて、
待つ
間のつれ/″\に
忍ぶ
戀路を
小聲にうたへば、あれ
由斷がならぬと
内儀さまに
笑はれて、
何がなしに
耳の
根あかく
正太はかけ
寄りて
袂を
押へ、
美登利さん
昨夕は
御免よと
突然にあやまれば、
何もお
前に
謝罪られる
事は
無い。