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歎願
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たんがん
ふりがな文庫
“
歎願
(
たんがん
)” の例文
河野は、私の無言の
歎願
(
たんがん
)
を
容
(
い
)
れて、私の嘘と口を合せてくれました。それを聞いて私はやっと胸のつかえがおりた様に思ったことです。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
だがこの日はいつもより悲しかった、全校生徒の
歎願
(
たんがん
)
があったにかかわらず久保井校長の転任をひるがえすことができなかった。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
積雪を
蹴
(
け
)
って
汀
(
みぎわ
)
まで走って行き、そろそろ帰り支度をはじめている漁師たちの腕をつかんで、たのむ、もういちど、と眼つきをかえて
歎願
(
たんがん
)
する。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
云わば新たに、死ぬべき場所を捜さねばならぬ場合に立ちいたっていた。——「
頓首
(
とんしゅ
)
再拝つつしんで
歎願
(
たんがん
)
奉り候」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
ナオミの表情は
俄
(
にわ
)
かに変り、その声の調子は哀訴にふるえ、その眼の縁には涙をさめざめと
湛
(
たた
)
えながら、ぺったりそこへ
跪
(
ひざまず
)
いて
歎願
(
たんがん
)
するように私の顔を仰ぎ視ました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
日頃罪人一同の
喰物
(
くいもの
)
の頭を
刎
(
は
)
ね、
剰
(
あまつさ
)
え
年
(
ねん
)
に二度か三度のお
祭日
(
まつりび
)
に
娑婆飯
(
しゃばめし
)
をくれません、余り無慈悲な扱いゆえ、三人の総代を立てゝ
只管
(
ひたすら
)
歎願
(
たんがん
)
いたしました処が、聞入れないのみか
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いつ現われたのか、今福西枝が彼猫々の前に現われての
歎願
(
たんがん
)
であったのであった。
心臓盗難:烏啼天駆シリーズ・2
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
窓と云う窓はいつまで待っても、だらりと下った窓かけの
後
(
うしろ
)
に家々の秘密を封じている。保吉はとうとう待ち遠しさに堪えかね、ランプの具合などを気にしていた父へ
歎願
(
たんがん
)
するように話しかけた。
少年
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
すると、急にそのとき腹痛が起り、どうしても今日だけは
赦
(
ゆる
)
して貰いたいと栖方は
歎願
(
たんがん
)
した。軍では時日を変更することは出来ない。そこで、その日は栖方を除いたものだけで試験飛行を実行した。
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
彼は自分が『
歎願
(
たんがん
)
』しそうだということを感じた。
花も刀も
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「本当にもう、帰ってくれ。その顔を二度とふたたび見せてくれるな。」と力無い声で
歎願
(
たんがん
)
した。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
顔色を変えてカンカン寅の留守宅へ行って、いままでの事情を話すと共に、この際是非に
融通
(
ゆうずう
)
を頼むと
歎願
(
たんがん
)
をした。しかし留守を預る人達は、老人の話を鼻であしらって追いかえした。
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ゆうべの激動のために、病人みたいに青ざめている蘭子が、
猫
(
ねこ
)
に
魅入
(
みい
)
られた
小鼠
(
こねずみ
)
かなんぞのように、縮みあがってしまって、キョロキョロと定まらぬ視線で、あたりを見まわしながら、
歎願
(
たんがん
)
した。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
とにかく、彼は機嫌を直したことにして、座席に座った。ボジャック氏は、どうか彼の
素姓
(
すじょう
)
については内密に願うと、くどくどと
歎願
(
たんがん
)
したのち、ずっと後方にあるという彼の座席へ帰っていった。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
司会者は、早口ながら、
半
(
なか
)
ば
歎願
(
たんがん
)
し、半ば命令するようにいった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“歎願”の意味
《名詞》
事情を訴えて一心に願うこと。
(出典:Wiktionary)
歎
漢検準1級
部首:⽋
15画
願
常用漢字
小4
部首:⾴
19画
“歎願”で始まる語句
歎願書