構造つくり)” の例文
わたくしはそれがかえつってみょう御殿ごてん構造つくりにしっくりとてはまって、たいへんうつくしいようにかんぜられました。
家の構造つくり、庭園の布置に、僕を喜ばせるものがあり、終日町や郊外を、飽かず僕は見て廻った。
鴉片を喫む美少年 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
新宅は又た東京風。家の構造つくりを見比べても解るのです。旦那様は小諸へ東京を植えるという開けた思想かんがえを御持ちなすった御方で、御服装おみなりも、御言葉も、旧弊は一切御廃し。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かしの大樹に連なっている小径こみち——その向こうをだらだらと下った丘陵おかかげの一軒家、毎朝かれはそこから出てくるので、たけの低い要垣かなめがきを周囲に取りまわして、三間くらいと思われる家の構造つくり
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
そのほかに洋卓テエブルがある。チッペンデールとヌーヴォーを取り合せたような組み方に、思い切った今様いまよう華奢きゃしゃな昔に忍ばして、へやの真中を占領している。周囲まわりに並ぶ四脚の椅子は無論同式どうしき構造つくりである。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
始めて眼にした南蛮寺、構造つくりがまるで異っている。うかうか内へ入った処で、内の様子を探ることが、覚束ないように思われる。それに第二に何と云っても、神々しい宗教的建物である。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
家の構造つくりは、唯雨露あめつゆを凌ぐといふばかりに、きもし囲ひもしてある一軒屋。たまさか殿城山の間道を越えて鹿沢かざは温泉へ通ふ旅人が立寄るより外には、ふ人も絶えて無いやうな世離れたところ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
しかしそれよりもそういう品々やそういう人々を包んでいる、部屋の内部の構造つくりの、何んと不思議であることか。天井は黒く塗られている。壁も黒く塗られている。柱も黒く塗られている。
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
城の構造つくり、室の装飾が、善美を尽くした異国風なのも、彼女の心を驚かせた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
大名の下屋敷の庭の構造つくりなどは、大概似たようなものであって、泉水、築山、廻廊、ちん、植え込み、石灯籠、幾棟かの建物——などというようなありきたりのものを、小堀流とか遠州流とか
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それにしても天井が蒲鉾かまぼこ形に垂れ、それにしても四方の黒い壁が、太鼓の胴のそれのように、中窪みに窪んでいるというのは、いったいどうしたことなのであろう? こういう構造つくり欧羅巴ヨーロッパあたりの
十二神貝十郎手柄話 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
ここで僕はこの館の構造つくりを、ほんの簡単にお知らせしよう。
鴉片を喫む美少年 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「それにいたしましても贅沢な構造つくりで」
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)