榎木えのき)” の例文
そのたびに、榎木えのきと一しよになつて、パラ/\パラ/\ちてましたが、どれもこれも、まだあをくてべられないのばかりでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
これも塚のこし境木さかいぎ峠・道祖神峠さえのかみたわ榎木えのき峠の例と同じく、越すなわち境に植えた霊木の所在を意味する地名であって、これらの四家はたとい相互に何の縁故はないとはいえ
名字の話 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
「銀座なんてざわついたところよりぼく榎木えのき町の通りぐらいなら行ってもいいんです」
金魚撩乱 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
丘の榎木えのき
野口雨情民謡叢書 第一篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
なんとこの榎木えのきしたにはちてませう。澤山たくさんひろひなさい。ついでに、わたしひと御褒美ごはうびしますよ。それもひろつてつてください。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
とうさんは榎木えのきばかりでなく、橿鳥かしどりうつくしいはねひろひ、おまけにそのおほきな榎木えのきしたで、『丁度好ちやうどいとき。』までおぼえてかへつてました。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
その昔、郷里の山村の方で榎木えのきの実を拾ったり橿鳥かしどりの落した羽を集めたりした日のことが彼の胸に来た。思わず彼は拾い上げた桜の実をいで見て、お伽話とぎばなしの情調を味った。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
一 榎木えのき
二人の兄弟 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)