楽隠居らくいんきょ)” の例文
旧字:樂隱居
そうして自分じぶんあたたかしずかところして、かねめ、書物しょもつみ、種々しゅじゅ屁理窟へりくつかんがえ、またさけを(かれ院長いんちょうあかはなて)んだりして、楽隠居らくいんきょのような真似まねをしている。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
楽隠居らくいんきょにしてもらつたところで、また、がたんと貧乏住居ずまいちたのだつた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
なぜなら彼らは、老後において妻子眷族けんぞくにかしずかれ、五枚蒲団ぶとんの上に坐って何の心身の苦労もなく、悠々ゆうゆう自適の楽隠居らくいんきょをすることができるからだ。反対に西洋人は、老年になってからみじめである。
老年と人生 (新字新仮名) / 萩原朔太郎(著)
農家の楽隠居らくいんきょに、糟谷かすやがいまのはらのわかるはずがない。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)