“枯渇:こかつ” の例文
“枯渇:こかつ”を含む作品の著者(上位)作品数
吉川英治8
太宰治3
“枯渇:こかつ”を含む作品のジャンル比率
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
その枯渇こかつしたすがたには、往年のどじょうひげやした侍大将の威風も旺盛な慾望の影も思い出せないほどだった。
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
由来、東国そのものに、財力はなかった。長年にわたる平家文化の絢爛けんらんは、それだけ地方の疲弊ひへい枯渇こかつを意味している。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
事実は、城内の藩庫はんこも、軍費に追われて枯渇こかつし、家中の侍たちの生活も、信長自身の朝夕のしろも、切詰めぬいてもまだ窮乏を告げて、
新書太閤記:02 第二分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西洋のそれと比較にならぬほど卓越していた筈の、東洋の精神界も、永年の怠惰な自讃に酔って、その本来の豊穣ほうじょうもほとんど枯渇こかつしかかっている。
惜別 (新字新仮名) / 太宰治(著)
のどが、からから枯渇こかつして、くろい煙をあげて焼けるほどに有名を欲しました。
虚構の春 (新字新仮名) / 太宰治(著)
「うごく敵は計り易いが、全くうごかぬ敵には施す手がない。かかるうち味方は運送に、兵糧の枯渇こかつに当面しては、自然、形勢は逆転せざるを得まい。はて、何とすべきだろうか」
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
老人になれば誰も単純で気短かになるという。今の場合の複雑な感情は余りにも枯渇こかつした血には強烈すぎたのであろう。泣いているのか、怒っているのか、狂喜の変態なあらわれか。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いつか四どう糧道りょうどうをふさがれ、洛内の食糧は極度に枯渇こかつしてきたのである。いまにして、後醍醐の帷幕いばくは、さきに正成がすすめた戦略を、実施させていたとみえる。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ともりきれた灯皿の燈芯のように、精神力が枯渇こかつを告げると、肉体はそのままでも——刃や他の何の力を加えないでもバタと朽木くちきのようにたおれて終ってしまいそうであった。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顔も青くせて、いたたまらぬ思いで、ただ金を使い、一年たぬうちに、底知れぬ財力も枯渇こかつして、国元からの使いが、もはやこれだけと旦那の耳元にささやけば、旦那は愕然がくぜんとして
新釈諸国噺 (新字新仮名) / 太宰治(著)
家財はもとより持物を売り尽し、まったく身一つになっている者が大部分だし、又、生活力のない者には、多少余裕のあった者から融通ゆうずうしているので、これもたちま枯渇こかつしてしまう有様なのだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いや、これからでしょう。すでに七分の勝ち。それに近江方面の敵二、三千も打ちころしてまいりました。はや丹波口にも敵影はなく、阿弥陀ヶ峰にっていた奴ばらも味方が追っぱらってしまったよし……。いまや糧道りょうどう枯渇こかつは、われよりは、行宮あんぐうと義貞のほうに、瀕死ひんしの急を告げだしている。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)