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末男
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すゑを
末男は
子供を
抱きながら、まち
子と一
所に
銀座の
明るい
飾窓の
前に
立つて、
星の
見える
蒼空に、すき
透るやうに
見える
柳の
葉を
見つめた。
まち
子は、
目の
前に、すべての
景色が
見えでもするかのやうに、一
心になつて
涙ぐみながら
云ふのであつた。すると、
末男も、おなじやうに
まち
子の
夫の
末男は、
偶然にも
彼女とおなじ
北海道に
生れた
男であつた。
彼女はそれを
不思議な
奇遇のやうに
喜んだ。