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朝涼
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あさすず
ふりがな文庫
“
朝涼
(
あさすず
)” の例文
京にのぼる供は二十人くらい、虫の
垂衣
(
たれぎぬ
)
で
蔽
(
おお
)
うた馬上の女のすがたは、遠目にも
朝涼
(
あさすず
)
の中で
清艶
(
せいえん
)
を極めたものであった。
舌を噛み切った女:またはすて姫
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
「こういう時にこそ、かえって一時のお疲れが、どっと出ぬでもありませぬ。なるべく朝は
朝涼
(
あさすず
)
のまに、お道をすすめ、京もはやとて、おいそぎなく」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、いいながら、私は、久しぶりで口に馴れたお前の手で
漬
(
つ
)
けた
茄子
(
なす
)
と
生瓜
(
きゅうり
)
の新漬で
朝涼
(
あさすず
)
の風に吹かれつつ以前のとおりに
餉台
(
ちゃぶだい
)
に向い合って箸を取った。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
朝涼
(
あさすず
)
のうちに、関井さんの夫婦はわたくしを近所の森の中や川端へ案内してくれました。東京より十度以上は違うと三津子さんのいったのも嘘ではありません。
探偵夜話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
朝涼
(
あさすず
)
の内に支度が出来て、そよそよと風が渡る、袖がひたひたと
腕
(
かいな
)
に
靡
(
なび
)
いて、
引緊
(
ひきしま
)
った白の
衣紋着
(
えもんつき
)
。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
朝顔の花一ぱいにたまる露の
朝涼
(
ちょうりょう
)
、
岐阜
(
ぎふ
)
提灯
(
ちょうちん
)
の火も消えがちの風の
晩冷
(
ばんれい
)
、涼しさを声にした様な
蜩
(
ひぐらし
)
に
朝涼
(
あさすず
)
夕涼
(
ゆうすず
)
を
宣
(
の
)
らして、
日間
(
ひるま
)
は草木も人もぐったりと
凋
(
しお
)
るゝ程の暑さ、昼夜の
懸隔
(
けんかく
)
する程
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
まだ
朝涼
(
あさすず
)
の間に帰ろうとして院は早くお起きになった。
源氏物語:35 若菜(下)
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
なるべく
朝涼
(
あさすず
)
のうちに行って来ようというので、ふたりは明け六つ(午前六時)頃から江戸川端の家を出て、型のごとくに墓参をすませて、住職にも逢って挨拶をして
離魂病
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「お
許婚
(
いいなずけ
)
……?」「いや、」一葉女史の墓だときいて、庭の垣根の
常夏
(
とこなつ
)
の花、
朝涼
(
あさすず
)
だから
萎
(
しぼ
)
むまいと、朝顔を添えた女の志を取り受けて、築地本願寺の墓地へ詣でて、夏の草葉の茂りにも
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いわゆる
朝涼
(
あさすず
)
に乗じて、
朴歯
(
ほおば
)
の下駄をからから踏み鳴らしながら行った。
寄席と芝居と
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お藤は努めて
朝涼
(
あさすず
)
のうちに家を出ることにしていた。
半七捕物帳:16 津の国屋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
朝
常用漢字
小2
部首:⽉
12画
涼
常用漢字
中学
部首:⽔
11画
“朝”で始まる語句
朝
朝夕
朝飯
朝臣
朝餉
朝日
朝食
朝陽
朝靄
朝鮮