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ぐらし
十七ばかりになる娘との親子三人
暮であった、ところがこの
家というのは、世にも哀れむべき、
癩病の
血統なので、娘は既に年頃になっても、
何処からも
貰手がない、娘もそれを
覚ったが、
偶然
同者
實と思ひ私は
相摸領御殿場の者にて
小前の百姓條七と云者だが
上田が六石三斗中田が七枚半山が七ツ
有ば
親子三人
暮故十日や廿日は
麥飯さへ
承知なれば
貴殿一人位は苦にはせぬ其中に何
商ひでもするか但しは
又奉公にでも出るかよも死ぬには
増で有うから
己が
在所へ御座れと
深切に云ければ九郎兵衞夫は