是沙汰これざた)” の例文
けれども、もう一度、繰返すが、町近くで、さまで高くないこの山、多くの天狗の集り住むと、是沙汰これざたする場所である。
一歩いちぶに、のかはをかれたために、最惜いとしや、おあき繼母まゝはゝには手酷てひど折檻せつかんける、垣根かきねそとしたで、晝中ひるなかおびいたわ、と村中むらぢう是沙汰これざたは、わかをんな堪忍たへしのばれるはぢではない。
一席話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
何が、死骸しがい取片づけの山神主が見た、と申すには、獅子がかしらさかしまにして、そのおんなの血をめ舐め、目から涙を流いたというが触出ふれだしでな。打続く洪水は、そのおんなうらみだと、国中の是沙汰これざただ。
天守物語 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さあ、是沙汰これざた大業おおぎょうで、……
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)