新郎はなむこ)” の例文
あゝ未知のとみ肥沃ひよく財寶たからよ、エジディオ沓をぎ、シルヴェストロ沓をぬぎて共に新郎はなむこに從へり、新婦はなよめいたく心にかなひたるによる 八二—八四
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
新婦はなよめをもてるものは新郎はなむこなり。新郎はなむこの友立ちて其声をきかばこれによりてよろこび多し。我いまそのよろこびに満つるを得たり。ヨハネ伝第三章二十九
愛の詩集:03 愛の詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
よ! 新郎はなむこをとらるる日きたらん。」と言って笑った。こんな会話も、繁夫さんたちが聞いたら、さぞ鼻持ならない、気障きざったらしいもののような気がするのだろう。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
つるぎつゑに。松陰まつかげの。いはほさゝへて。吐息といきつく。時哉をりしも見ゆる。若武者わかむしやは。そもいくさの。使つかひかや。ればころもの。美麗うるはしさ。新郎はなむことかも。あやまたる。其鬚髯そのほうひげの。新剃にひそりは。秋田あきたを刈れる。刈稻かりしねの。そろへるさまに。
「西周哲学著作集」序 (旧字旧仮名) / 井上哲次郎(著)
イエスはイスラエルの救主すくいぬしすなわち新郎はなむことして現に来ているのだから
新郎はなむこ羽織袴はおりはかま新婦はなよめすその長い着物で、並んでれていた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
彼等はかくしてかの新郎はなむこ、即ち愛より出るによりて己が心にかなふ誓ひをすべてうけいるゝ者と死に至るまで起臥おきふしともにせんとす 一〇〇—一〇二
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
鶴の丸(私の家の紋は、鶴の丸だ)の紋服を着て、仙台平せんだいひらはかまをはいて、白足袋、そんな姿でこの馬車にゆったり乗って銀座八丁を練りあるきたい。ああ、このごろ私は毎日、新郎はなむこの心で生きている。
新郎 (新字新仮名) / 太宰治(著)
かくてあたかも神の新婦はなよめが朝の歌をば新郎はなむこの爲にうたひその愛を得んとて立つ時われらを呼ぶ時辰儀じしんぎの 一三九—一四一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)