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新妻
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にいづま
ふりがな文庫
“
新妻
(
にいづま
)” の例文
復員者はそこここに戻って来て、崩壊した駅は雑沓して
賑
(
にぎ
)
わった。その妻子を
閃光
(
せんこう
)
で
攫
(
さら
)
われた男は晴着を飾る
新妻
(
にいづま
)
を伴って歩いていた。
火の唇
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
きょう初めてご邸内を
観
(
み
)
るという
新妻
(
にいづま
)
も、娘たちも、また縁類のものも、
悉
(
ことごと
)
く今日はここに集まったかと思われるばかりだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ブラドンは
新妻
(
にいづま
)
のアリスを返り見た。アリスは、なにか気が進まないふうだったが、それでも、嬉しそうににこにこしていた。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
そんなわけで、彼は間もなく、
新邸
(
しんてい
)
の中にまたもう一つ新しく素晴らしいものを加えた。それは
生々
(
なまなま
)
しい
新妻
(
にいづま
)
であることは云うまでもあるまい。
蠅
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
花のような自分の
新妻
(
にいづま
)
が、不思議の縁の糸に引かれて、天上からでも降りて来るような感じもあった。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
▼ もっと見る
彼女はどこまでも優しい
新妻
(
にいづま
)
であり、普通の女らしい細君であったが、信州の山里から出て来たのは
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と一人
極
(
ぎ
)
めにして、その上に、
新妻
(
にいづま
)
を後妻になれ、後妻にする、後妻の気でおれ、といけ
洒亜々々
(
しゃあしゃあ
)
として、髪を光らしながら、
鰌髭
(
どじょうひげ
)
の生えた口で言うのは何事でしょうね。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
新妻
(
にいづま
)
の事でも想像して魂がもぬけたな」一人がフランシスの耳に口をよせて叫んだ。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
美人の妻を持っているので、有名な小早川伯爵が来たとき、勝平は同伴した伯爵夫人を、自分の
新妻
(
にいづま
)
と比べて見た。伯爵夫妻が、
会釈
(
えしゃく
)
して去った時、勝平の顔には、得意な微笑が浮んだ。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
座頭の美しい
新妻
(
にいづま
)
が目のない夫のためにわが目を泣きはらそうと、ただ伝六には事件があって、口うるさくお株を始められる機会さえあればいいんですから、前回のへび使い小町騒動以来
右門捕物帖:18 明月一夜騒動
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
おせいさんは少しならず思ひくづをれ候すがたしるく、わかき人をおきて
出
(
い
)
でし
旅順
(
りよじゆん
)
の弟の、たび/\帰りて慰めくれと申しこし候は、母よりも第一にこの
新妻
(
にいづま
)
の上と、私見るから涙さしぐみ候。
ひらきぶみ
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
朝の別れが
惜
(
おしゅ
)
うて出仕に遅れ、それで御番士の役が勤まると思わるるかッ? のみならず、夕御番は両三度ならず欠勤、それも、一夜なりとも
新妻
(
にいづま
)
と離れともないと言わるるのじゃろう——いやはや
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして四日目、初めて、色直しの衣裳にかえて、登子も足利家の北ノ方となった
新妻
(
にいづま
)
の身をやっと自分に見るのであった。
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろん家には最近迎えたばかりの
新妻
(
にいづま
)
はあり、夫婦生活の味もまだ身に
染
(
し
)
む間もないころのことだったが、銀子にも
嫉妬
(
しっと
)
に似た感情の芽出しはありながら、それを引きとめる手もなく
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
名人がいとわしげに心の進まなかった子細もまたこれがため、よしや求められたことではあろうとも、夫以外に犯してならぬ
新妻
(
にいづま
)
のはだをまのあたり見ることが心苦しかったからなのです。
右門捕物帖:32 朱彫りの花嫁
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ふと、庄次郎は、
新妻
(
にいづま
)
の照子をおもい出した。行儀作法がよくて、文字があって、貞淑で、申しぶんのない良妻が、彼にはどうしても好きになれなかった。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
去年の暮とかに、妻を
娶
(
めと
)
ったというその
新妻
(
にいづま
)
のまめやかさの光りかもしれない。——清盛はうらやましい気もちで、ときどき、渡の口から出る女房自慢など聞かされて、やがて、座を辞した。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お内儀、とんだ客で驚かれたであろう。この客は、あなたの良人へ、
生命
(
いのち
)
をすてろと、すすめに来たのだが、なぜか、又四郎はいやだという。……考えればむりはない、あなたのような美しい
新妻
(
にいづま
)
を
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“新妻”の意味
《名詞》
新 妻 (しんさい, にいづま)
結婚したばかりの女性。
(出典:Wiktionary)
新
常用漢字
小2
部首:⽄
13画
妻
常用漢字
小5
部首:⼥
8画
“新妻”で始まる語句
新妻隼人
新妻月夜