新妓しんこ)” の例文
風呂ふろびてれゆけばつきかけ下駄げたに七五三の着物きもの何屋なにやみせ新妓しんこたか、金杉かなすぎ糸屋いとやむすめう一ばいはながひくいと
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「待ちなさりまし。おお、あの島屋の新妓しんこさんならきっと居るやろ。聞いて見や。喜野、ソレお急ぎじゃ、廊下走って、電話へかかれや。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
おんなは、水が怖いのか、ふるえながら、遠さかる連れの舟へのび上がっていた。——この秋、紅梅から出た、淋しい新妓しんこだった。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この土地では出たての芸者は新妓しんこといってね、わりかた東京ッの持てるところなんだよ。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
芸妓の、君、新妓しんこってものがありますか?——ええ、先生、伯龍先生?……
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
「こないだ山田の新町から住替えた、こんの島家の新妓しんこじゃ。」と言いながら、鼻赤の若い衆は、のぞいた顔を外に曲げる。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一風呂浴びて日の暮れゆけば突かけ下駄に七五三の着物、何屋の店の新妓しんこを見たか、金杉の糸屋が娘に似て最う一倍鼻がひくいと、頭腦あたまの中を此樣な事にこしらへて
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
新妓しんこさん、お前に便所を取っておいたよ。早く掃除してしまいな。」
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「今日出たばかりの新妓しんこがあるんですけれど呼んで下さらない?」
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
真面目につとむる我が家業は昼のうちばかり、一風呂浴びて日の暮れゆけばつきかけ下駄に七五三の着物、何屋の店の新妓しんこを見たか、金杉かなすぎの糸屋が娘に似てもう一倍鼻がひくいと
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今向う側を何んとか屋の新妓しんことか云うのが、からんころんと通るのを、何心なく見送ると、あの、一軒おき二軒おきの、軒行燈のきあんどんでは浅葱あさぎになり、月影では青くなって、薄い紫の座敷着で
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
お世辞気のない新妓しんこの銀子につらく当たり、仮借かしゃくしなかった。
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)