放逐はうちく)” の例文
の時にも君に放逐はうちくする様に注意したのだが、自分のことで彼此かれこれ云ふのは、世間の同情を失ふおそれがあるからと君が言ふので、其れも一理あるとわしも辛棒したのだ、今度は、君
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
ぼくは一ねんこゝにおよべば倫理學者りんりがくしや健全先生けんぜんせんせい批評家ひゝやうか、なんといふ動物どうぶつ地球外ちきうぐわい放逐はうちくしたくなる、西印度にしいんど猛烈まうれつなる火山くわざんよ、何故なにゆゑなんぢ熱火ねつくわ此種このしゆ動物どうぶつ頭上づじやうにはそゝがざりしぞ!
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
無論むろん放逐はうちくすることなどはぬので。ひとかれあざむいたり、あるひへつらつたり、あるひ不正ふせい勘定書かんぢやうがき署名しよめいをすることねがひでもされると、かれえびのやうに眞赤まつかになつて只管ひたすら自分じぶんわるいことをかんじはする。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)