放送ほうそう)” の例文
そのかぶとむしのような、黒光くろびかりのするからだに、アンテナをてていて、はしりながら、どこかとはなしたり、また、放送ほうそう音楽おんがくをきいたりするのです。
太陽と星の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このごろ、いつもおやすあさには、小鳥ことりごえ放送ほうそうされたからです。しかし、そのこえは、おとなりにわほうからきこえてくるようながしました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)
戦争中せんそうちゅう特攻隊とっこうたいが、よく出発前しゅっぱつまえわかれのことばを放送ほうそうして故国ここくにのこしたことがありますが、地域ちいき関係かんけいからか、あにはこれにくわわらなかったのです。
兄の声 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし、さんは、音楽おんがくにも趣味しゅみをもっていて、ラジオで、うた放送ほうそうするときなど、将棋しょうぎをさしながら、自分じぶんこまがとられるのもらず、うたのほうにをとられていました。
クラリネットを吹く男 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさん、まち醤油屋しょうゆやさんっていなさるだろう。二、三日前にちまえあすこへったら、このごろ毎晩まいばん戦地せんちからラジオの放送ほうそうがあって、あちらのようすがるようにわかるというこったぞ。
夜の進軍らっぱ (新字新仮名) / 小川未明(著)