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擎
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ささ
ふりがな文庫
“
擎
(
ささ
)” の例文
只
八五
薄酒
(
うすきさけ
)
一杯
(
ひとつぎ
)
すすめ奉らんとて、
八六
高坏
(
たかつき
)
平坏
(
ひらつき
)
の清らなるに、海の物山の物
盛
(
も
)
りならべて、
八七
瓶子
(
へいじ
)
土器
(
かわらけ
)
擎
(
ささ
)
げて、まろや酌まゐる。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
「父母も花にもがもや草枕旅は行くとも
擎
(
ささ
)
ごて行かむ」(巻二十・四三二五)も意嚮は似ているが、この方には類想のものが多い。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
「また我が子
建御名方
(
たけみなかた
)
の神
一〇
あり。これを
除
(
お
)
きては無し」と、かく白したまふほどに、その建御名方の神、千引の石
一一
を
手末
(
たなすゑ
)
に
擎
(
ささ
)
げて來て
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
しんしんとして、
木蓮
(
もくれん
)
は
幾朶
(
いくだ
)
の
雲華
(
うんげ
)
を
空裏
(
くうり
)
に
擎
(
ささ
)
げている。
泬寥
(
けつりょう
)
たる
春夜
(
しゅんや
)
の
真中
(
まなか
)
に、和尚ははたと
掌
(
たなごころ
)
を
拍
(
う
)
つ。声は
風中
(
ふうちゅう
)
に死して一羽の鳩も下りぬ。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この心を知らずや、と
情極
(
じようきはま
)
りて彼の
悶
(
もだ
)
え
慨
(
なげ
)
くが手に取る如き隣には、貫一が
内俯
(
うつぷし
)
に
頭
(
かしら
)
を
擦付
(
すりつ
)
けて、
巻莨
(
まきたばこ
)
の消えしを
擎
(
ささ
)
げたるままに
横
(
よこた
)
はれるなり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
山間の盆地が、その傷ましい、荒蕪な杯盤の上に、祈念の如くに空に
擎
(
ささ
)
げてゐる一つの小さな街。夜ごとに音もなく崩れてゆく胸壁によつて、正方形に
劃
(
かぎ
)
られてゐる一つの小さな街。
測量船
(新字旧仮名)
/
三好達治
(著)
幡
(
はた
)
と
蓋
(
かさ
)
で美々しく飾り、王
親
(
みずか
)
ら四種の兵隊を随えて智馬を迎え、赤銅の板を地に畳み上げて安置し、太子自ら千枝の金の蓋を
擎
(
ささ
)
げその上を覆い、王の長女金と宝玉で飾った
払子
(
ほっす
)
で蚊や蠅を追い去り
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「さあ、覗いて御覧。」と、お杉は蝋燭を高く
擎
(
ささ
)
げた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ここに
多遲摩毛理
(
たぢまもり
)
、
縵四縵矛四矛
(
かげよかげほこよほこ
)
を分けて、大后に獻り、
縵四縵矛四矛
(
かげよかげほこよほこ
)
を、天皇の御陵の戸に獻り置きて、その木の實を
擎
(
ささ
)
げて、叫び
哭
(
おら
)
びて白さく
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
擎
部首:⼿
16画
“擎”を含む語句
擎天
擎天柱
擎掛