播州ばんしう)” の例文
具清の家は大きくて、城のやうな家なのでしたが、丁度ちやうど夏で酒作りをする蔵男くらをとこの何百人は、播州ばんしうへ皆帰つて居た時だつたのださうです。
私の生ひ立ち (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
押立おしたて玄關にはむらさき縮緬の幕をはり威儀ゐぎ嚴重げんぢうに構へたり此時下の本陣には播州ばんしう姫路ひめぢの城主酒井雅樂頭殿どの歸國の折柄にて御旅宿なりしが雅樂頭うたのかみ殿上の本陣に天一坊旅宿の由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
こゝ播州ばんしう赤穗あかほ城主じやうしゆ淺野内匠頭殿あさのたくみのかみどの家臣かしん大石内藏助おほいしくらのすけはじ忠義ちうぎ面々めん/\元祿げんろく十五年十二月十四日吉良上野介殿きらかうずけのすけどのやしき討入うちいりきはまり同月十日に大石内藏助は小山田庄左衞門をやまだしやうざゑもんまね同志どうし人々ひと/″\家内かない
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
もと播州ばんしうむろの津にいたりけり當所は繁華はんくわみなとにて名に聞えたるむろ早咲町はやざきまちなど遊女町いうぢよまちのきつらねて在ければ吾助は例の好色かうしよく者と言ひ懷中には二百兩の金もあり先此處にてつかれを慰めうつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)