拔出ぬけだ)” の例文
新字:抜出
と、時々とき/″\そのなかから、くろ拔出ぬけだして、跫音あしおとしづめてて、かどとほりすぎるかとすれば、閃々きら/\すゝきのやうなものがひかつてえる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「それから、横川町の親類の家から拔出ぬけだす時も、あの男は大手を振つて出て居るぜ」
いや、張合はりあひもなくひらくうち、「あゝ、品川しながはね。」カタリとまどけて、家内かない拔出ぬけだしさうにまどのぞいた。「駄目だめだよ。」そのくせわたしのぞいた。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
器用きようつきで、はらから拔出ぬけだしたやうに横衣兜よこがくし時計とけいたが
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)