托鉢僧たくはつそう)” の例文
駿河するがの府中まで来ると遊行上人の一行は、世の常の托鉢僧たくはつそうのような具合にして、伝馬町の万屋よろずやというのへ草鞋わらじを脱いでしまいます。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
しばらく草鞋を穿いて雲水の托鉢僧たくはつそうと洒落のめし日本全国津々浦々を放浪していたが、やがてお江戸ひざもとへ舞い戻って気負いの群からあたまをもた
風呂敷包ふろしきづつみを斜に背負い、その頃よく来た托鉢僧たくはつそうのような饅頭笠まんじゅうがさを深々とかぶり、手縫いの草履袋を提げた私の姿は、よほど妙であったらしく、兄たちはきのこのおばけだとか
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
インド托鉢僧たくはつそう、仏教僧、マホメット教行者、ギリシャ修道者、マホメット教隠者、シャム仏僧、マホメット教僧侶、彼らが増加して蛆虫うじむしのごとく群がってる国を考える時
うちればかならふでを取つて書いて好者すきものと、巌谷いはやからうはさの有つたその人で、はじめて社にとはれた時は紺羅紗こんらしや古羽織ふるばおり托鉢僧たくはつそうのやうな大笠おほがさかぶつて、六歩ろつぱうむやうな手付てつきをして振込ふりこんで来たのです
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
だいぢゃう 同處どうしょ托鉢僧たくはつそうロレンス法師ほふし庵室あんじつ
まり通り放蕩に身を持ち崩したあげくの果てが七世までの勘当となり、しばらく土地を離れて雲水の托鉢僧たくはつそうとしゃれて日本全国津々浦々を放浪していたが、やがてお膝下へ舞い戻って来て