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うちとほ
斯う申さばお
前さまのお
心には
何の
彼んな
物たヽきつけて
返したしと
思しめすか
知らねど、
紙一
枚にも
眞實のこもるお
志しを
頂く
物ぞかし、
其御恩を
何とも
思はず、一
年といふ三百六十五日
打通して
掛て
押戻し
假令何樣なる御身分たりとも此所にて御下乘あるべし未だ
公儀より
御達し
無うちは御城代の
御門内打乘決して相成申さず
是非御下乘と
制して
止ざれば然ばとて
餘儀なく門外にて下乘し
玄關へこそは
打通りぬ