懸河けんが)” の例文
ゆえに今、古の蘇秦そしん、張儀のような者が来て、いかに懸河けんがの弁をふるってこの周瑜を説かんとしても、この心は金鉄のようなものさ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
レストランN亭のコック藤次郎は、いつかは一かどの弁護士になって懸河けんがの弁を法廷で振うつもりでいた。元より彼には学校に通う余裕はない。
夢の殺人 (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
懸河けんが滔々たう/\たる老女の能弁をひげを弄しつゝ聴き居たる篠田「老女おばさん、其れは何事ですか、わたしにはすこしもわかりませぬが」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
平次は漸く八五郎の懸河けんが達弁たつべんを封じました。
懸河けんがべん
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
自己の罪条をいいくらますに努めると、まさに、懸河けんがの弁舌というもおろか、思わず聞きれるばかりだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
平次は漸く八五郎の懸河けんが達辯たつべんを封じました。
ともすると、その草雲にさえ、斬ってかかりそうな眼をしている十一名を前に並べて、彼は、醇々じゅんじゅんと説きだした。彼の王室を思うの熱情と、大義を説く懸河けんがの弁は、画家早雲ではなかった。
田崎草雲とその子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかに、なんじが、懸河けんがべんをふるうとも、なんでそんな甘手あまてにのろうぞ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、はなかけ卜斎ぼくさい懸河けんがべんをふるってとうとうと一いきにいった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
仲達の雄弁は、べるに従って懸河けんがのごときふうがあった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
楊彪は、身を挺してふたりに向って、懸河けんがの弁をふるい
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかも懸河けんがべんである。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)