悪事あくじ)” の例文
旧字:惡事
人間が知ってならぬことで、そのくせ知れれば知りたいだろうと思うことを、たとえば、近所の人たちのしている悪事あくじなども見ました。
「わたしはある年よりのガンを知っていますがね、そのひとなら、きっと、こういうひどい悪事あくじを喜んでふせいでくれるでしょうよ。」
どこかで悪事あくじはたらいて、それをかくすために、ああいうかっこうをして、なるべく人を近よせないでおくつもりかもしれないね
じつは、この国のある森のなかに、大男がふたり住んでいて、ものはぬすむし、人はころすし、火はつけるし、とにかくひどい悪事あくじばかりはたらいているのだ。
されば人はつね神仏かみほとけ信心しん/″\して悪事あくじ災難さいなんまぬかれん事をいのるべし。神仏かみほとけしんずる心のうちより悪心はいでぬもの也。悪心のなき災難さいなんをのがるゝ第一也とをしへられき。今もなほみゝに残れり。
わしたちは、ある秘密の相談をするために、こんな骸骨のシャツを着て、会議をひらいているが、けっして、悪事あくじをはたらいているのではない。四十面相などとは、なんのかんけいもない。
怪奇四十面相 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
そこで矢張り染め続けていますと、到頭悪事あくじ露見ろけんの日が参りました
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
悪事あくじをやりだせば、こんなおそろしいてきはない。そいつがおれのいえにまいこんできたんだ。それにやつは、むかしの友だちのグリッフィンだというのだから……
「もう沢山だよ。悪事あくじ露顕ろけんを恐れて、僕の口をふさぐ積りかい?」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)