心服しんぷく)” の例文
けつしてちがつたことではない、トさうおもつてるのに、先生せんせいのは、まるで母様おつかさんのとちがつたこといふんだから心服しんぷくはされないぢやありませんか。
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これはきたる観世音菩薩かんぜおんぼさつに仕えるのである、供養くようするのであるという観念をもって心服しんぷくして居りますから、兵隊は沢山らない訳です。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
その子の富士男はことし十五歳、学校はいつも優等ゆうとうであるうえに、活発かっぱつで明るく、年少者に対してはとくに慈愛じあいが深いところから、全校生徒が心服しんぷくしている。
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
そうしてこの人は、大隅君の博識に無条件に心服しんぷくし、何かと大隅君の身のまわりの世話を焼いていた。
佳日 (新字新仮名) / 太宰治(著)
けつして心服しんぷくつかまつらじ、しかするときもく命令めいれいおこなはれで、そむものきたらむには、かへつ國家こくからんとならむこと、憂慮きづかはしくさふらふ
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)