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御爺
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おじい
ふりがな文庫
“
御爺
(
おじい
)” の例文
御米が茶の間で、たった一人
裁縫
(
しごと
)
をしていると、時々
御爺
(
おじい
)
さんと云う声がした。それはこの本多の御婆さんが夫を呼ぶ声であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
修行時代
(
しゅぎょうじだい
)
には
指導役
(
しどうやく
)
の
御爺
(
おじい
)
さんが
側
(
わき
)
から一々
面倒
(
めんどう
)
を
見
(
み
)
てくださいましたから
楽
(
らく
)
でございましたが、だんだんそうばかりも
行
(
ゆ
)
かなくなりました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
今度はゾラ君の番であります。
御爺
(
おじい
)
さんが年の違った若い御嫁さんを貰います。結婚は致しましたが、どう云うものか夫婦の間に子ができません。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「とうとう
遣
(
や
)
って来たのね、
御婆
(
おばあ
)
さんも。今までは
御爺
(
おじい
)
さんだけだったのが、御爺さんと御婆さんと二人になったのね。これからは
二人
(
ふたあり
)
に
祟
(
たた
)
られるんですよ、
貴夫
(
あなた
)
は」
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もう一遍大袈裟な言葉を借用すると、同じ人生観を有して同じ穴から隣りの御嬢さんや、向うの
御爺
(
おじい
)
さんを
覗
(
のぞ
)
いているに相違ない。この穴を紹介するのが余の責任である。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
墓はいつ頃出来たものか
確
(
しか
)
とは知らぬが、何でも浩さんの
御父
(
おとっ
)
さんが這入り、
御爺
(
おじい
)
さんも這入り、そのまた御爺さんも這入ったとあるからけっして新らしい墓とは申されない。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
叔父はじゃ
御婆
(
おばあ
)
さんだけ残して、若いものが
揃
(
そろ
)
って出かける事にしようと云った。すると叔母が、では
御爺
(
おじい
)
さんはどっちになさるのとわざと叔父に聞いて、みんなを笑わした。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
するとこれも江戸っ子である。
御爺
(
おじい
)
さんも御爺さんの
御父
(
おとっ
)
さんも江戸っ子である。すると浩さんの一家は代々東京で暮らしたようであるがその実町人でもなければ幕臣でもない。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この庭には
奇麗
(
きれい
)
なローンがあって、春先の暖かい時分になると、白い
髯
(
ひげ
)
を
生
(
はや
)
した
御爺
(
おじい
)
さんが
日向
(
ひなた
)
ぼっこをしに出て来る。その時この御爺さんは、いつでも右の手に
鸚鵡
(
おうむ
)
を留まらしている。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
浅草から牛込へ
遷
(
うつ
)
された私は、生れた
家
(
うち
)
へ帰ったとは気がつかずに、自分の両親をもと通り祖父母とのみ思っていた。そうして相変らず彼らを
御爺
(
おじい
)
さん、
御婆
(
おばあ
)
さんと呼んで
毫
(
ごう
)
も怪しまなかった。
硝子戸の中
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
全く器械的にしゃべってる
御爺
(
おじい
)
さんとしか思われなかった。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今じゃあなたより
御爺
(
おじい
)
さん御爺さんしていますよ
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御
常用漢字
中学
部首:⼻
12画
爺
漢検準1級
部首:⽗
13画
“御”で始まる語句
御
御馳走
御前
御意
御座
御簾
御尤
御覧
御免
御堂