とむ)” の例文
それともとむらはれずかばぬれいが、無言むごんうち供養くやうのぞむのであらうもれぬ。ひとりではなにしろおもい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
実際をいうと、園は帰京せずに、札幌で静かに父の死をとむらいもし、一家の善後ということも考えてみたかったのだが「スグカエレ」という電文にそむくべき何らの理由もなかった。
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
とむらひ終しとかやこゝ不思議ふしぎなるは先年罪科に所せられたる上臺昌次郎が未だ梅と姦通かんつうせざる以前村中にふかちぎりし娘有りし所遂に姙娠にんしんなしたる儘親元へも掛合かけあひ出生しゆつしやうの子は男女にかゝはらず昌次郎方へ引取約束やくそくなりしが娘は程なく男子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)