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幾片
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いくへん
ふりがな文庫
“
幾片
(
いくへん
)” の例文
復一は急いで眼口を閉じたつもりだったが、
牡丹
(
ぼたん
)
桜の花びらのうすら冷い
幾片
(
いくへん
)
かは口の中へ入ってしまった。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
権利のないものに存在を許すのは実業家の
御慈悲
(
おじひ
)
である。無駄口を
叩
(
たた
)
く学者や、蓄音機の代理をする教師が露命をつなぐ月々
幾片
(
いくへん
)
の紙幣は、どこから
湧
(
わ
)
いてくる。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
霧
(
きり
)
がふっと切れました。
陽
(
ひ
)
の光がさっと
流
(
なが
)
れて入りました。その
太陽
(
たいよう
)
は、少し西の方に
寄
(
よ
)
ってかかり、
幾片
(
いくへん
)
かの
蝋
(
ろう
)
のような霧が、
逃
(
に
)
げおくれて
仕方
(
しかた
)
なしに光りました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
さっきから台所でことことやっていた
二十
(
はたち
)
ばかりの
眼
(
め
)
の大きな女がきまり
悪
(
わる
)
そうに夕食を
運
(
はこ
)
んで来た。その
剥
(
は
)
げた
薄
(
うす
)
い
膳
(
ぜん
)
には
干
(
ほ
)
した川魚を
煮
(
に
)
た
椀
(
わん
)
と
幾片
(
いくへん
)
かの
酸
(
す
)
えた
塩漬
(
しおづ
)
けの
胡瓜
(
きゅうり
)
を
載
(
の
)
せていた。
泉ある家
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
幾
常用漢字
中学
部首:⼳
12画
片
常用漢字
小6
部首:⽚
4画
“幾”で始まる語句
幾度
幾
幾何
幾歳
幾日
幾人
幾許
幾年
幾個
幾干