平時へいじ)” の例文
しかるを、元嘉げんか京洛きやうらく貴婦人きふじん才媛さいゑんは、平時へいじくだん墮馬髻だばきつふ。たとへばまげ片潰かたつぶしてなびつくりてうまよりちてもとゞり横状よこざまくづれたるなり
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仁太や正は海軍に配置はいちされていた。平時へいじならば微笑びしょうでしか思いだせない仁太の水兵も、いったまま便たよりがなかった。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
ただ、こうして、自然しぜんうちにひたっていると、ぼくには、平時へいじの十ねんにも、二十ねんにもまさるようながするのだ。いや、それよりもながあいだ生活せいかつしてきたようにおもえる。
戦友 (新字新仮名) / 小川未明(著)