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席捲
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せっけん
ふりがな文庫
“
席捲
(
せっけん
)” の例文
道庵の引掻き廻しも怖いが、お角親方なるものは、大阪をはじめ、全関西の興行界を
席捲
(
せっけん
)
するのはらを抱いて乗込みかねぬ奴である。
大菩薩峠:37 恐山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
チムールやジンギスカンというような偉大な征服者は、さながら旋風のように地上を
席捲
(
せっけん
)
して、宇宙を併合しようと努力した。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
さらに長駆して川中島を突破し、敵の一拠点、
海津
(
かいづ
)
を抜き、附近を
席捲
(
せっけん
)
し、少なくも信玄勢力圏の一端に報復を与えて引揚げても遅くはあるまい。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
六百台余の重爆撃機が天地を震撼させて進軍する様は世界を
席捲
(
せっけん
)
するが如く感じました。とても英国なんか
敵
(
かな
)
えそうもないような気がしてじりじりしました。
母と娘
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ここでふたたび問題になるのが、例の彼の「長い黒の
外套
(
がいとう
)
」である。リッパア事件は、鮮血の
颱風
(
たいふう
)
のようにイースト・エンドを中心にロンドン全市を
席捲
(
せっけん
)
した。
女肉を料理する男
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
▼ もっと見る
と云うのが、一種の透視的な驚異を帯びてきて、それから村里から村里の間を伝わり、やがて江戸までも
席捲
(
せっけん
)
してしまったというのが、そもそもの始まりである。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
今や抜刀斬込み隊の勢いである、遠慮は無用、杉戸をがらりと明けて、襖は土足のままこれを
蹴放
(
けはな
)
してずかずかゆく、非常に壮快だ、無人の野を
席捲
(
せっけん
)
する概がある
三悪人物語:忍術千一夜 第二話
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼は
愛親覚羅
(
あいしんかくら
)
氏が
絶漠
(
ぜつばく
)
より起り四百余州を
席捲
(
せっけん
)
するの大機を洞観し、国防的
経綸
(
けいりん
)
を画せり。彼は思えり、
北狄
(
ほくてき
)
、支那を呑む、
延
(
ひ
)
いて我
邦
(
くに
)
に及ぶ、
殷鑑
(
いんかん
)
蒙古にありと。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
そしてこの北方の蛮族がついに中原を
席捲
(
せっけん
)
して国礎を定めたのが、即ちこの
愛新覚羅
(
あいしんかくら
)
朝である。
三たび東方の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
府内を
席捲
(
せっけん
)
しつつある袈裟掛けの
闇斬
(
やみぎ
)
り!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
遼
(
りょう
)
を亡ぼした
金
(
きん
)
(満州族)は、やがて
太原
(
たいげん
)
、
燕京
(
えんけい
)
を
席捲
(
せっけん
)
して、ついに
開封
(
かいほう
)
汴城
(
べんじょう
)
の都にせまり、
徽宗
(
きそう
)
皇帝から
妃
(
きさき
)
や太子や皇族までを捕虜として北満の荒野に
拉
(
らっ
)
し去った。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お秀の家も昔は百瀬家の家臣筋で、天文の時分に北条氏康が関東
席捲
(
せっけん
)
の際には上杉方に味方した百瀬の主人と共に大師河原に立籠って戦ったことなどあると言い伝えられていた。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
賤ヶ嶽からこれまで、一
席捲
(
せっけん
)
の勢いで進撃しつづけて来た秀吉も、茂山を前にひかえて
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
翌十九日の朝になると、薩軍の前進は、刻々と報告され、一挙、熊本を
席捲
(
せっけん
)
して、北上しようとする颱風のような全軍の相貌と殺気は、もう鎮台兵の肌近くひしひしと迫って来た。
日本名婦伝:谷干城夫人
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
賤ヶ嶽附近を
席捲
(
せっけん
)
し、翌朝へかけて、余吾西岸を追撃しつづけるまで——東野山の第一陣地が、目と鼻の先に、敵勝家の本陣を見ながら何らの見るべき活動を起していなかったのは事実である。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、あっけない程、一方的な突進猛撃に
席捲
(
せっけん
)
されていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
席
常用漢字
小4
部首:⼱
10画
捲
漢検準1級
部首:⼿
11画
“席”で始まる語句
席
席巻
席上
席亭
席書
席貸
席頭
席割
席客
席序