“左舷船尾”の読み方と例文
読み方割合
さげんせんび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
我(わ)が一等運轉手(チーフメート)は急(いそが)はしく後部甲板(こうぶかんぱん)に走(はし)つたが、忽(たちま)ち一令(いちれい)を掛(か)けると、一個(いつこ)の信號水夫(しんがうすゐふ)は、右手(ゆんで)に高(たか)く白色球燈(はくしよくきうとう)を掲(かゝ)げて、左舷船尾(さげんせんび)の「デツキ」に立(た)つた。
『あれが見(み)えませんか、あれが、あの悲慘(ひさん)なる信號(しんがう)の光(ひかり)を見(み)て何(なに)とも感(かん)じませんか。』とばかり、遙(はる)かに指(ゆびさ)す左舷船尾(さげんせんび)の海上(かいじやう)。私(わたくし)は『あツ。』と叫(さけ)んだまゝ暫時(しばらく)開(あ)いた口(くち)も塞(ふさ)がらなかつたよ。
今迄(いまゝで)は少(すこ)しも心付(こゝろづ)かなかつたが、唯(たゞ)見(み)る、我(わが)弦月丸(げんげつまる)の左舷船尾(さげんせんび)の方向(はうかう)二三海里(かいり)距(へだゝ)つた海上(かいじやう)に當(あた)つて、また一度(ど)微(かすか)な砲聲(ほうせい)の響(ひゞき)と共(とも)に、タール桶(おけ)、油樽等(あぶらだるとう)を燃燒(もや)すにやあらん、㷔々(えん/\)たる猛火(まうくわ)海(うみ)を照(てら)して